当店では、木臼用杵の材質は、欅(ケヤキ)、朴(ホオ)、銀杏(イチョウ)の3種類があります。
日本全国各地域によって様々ですが、私どもの住む岡山県では昔から朴(ホオ)がよく使われています。
全国的には、欅(ケヤキ)が多いようです。
各樹種の特徴を以下に記しておきますので、参考にされて樹種選択をしていただければと思います。
総じて言えることですが、杵の材質が柔らかいとフチなどの餅の無いところをたたいた際に割れたり欠け
たりしやすいのですが、杵が割れ欠けすると言うことは、衝撃により発生する応力を杵側が吸収して逃がし
ているわけですので、「臼を保護している、臼を傷めにくい」とも言えます。
半面、杵の寿命は短くなります。
杵の樹種は、ご注文の際にご指定いただければ、極力対応させていただきます。
石より硬い木はありませんので、石臼用には、できるだけ硬い木が適しています。
「ムク」という木は、国産天然木の中で「カシ」などと並んで最も堅い木のひとつです。
昔は「てんびん棒」にされていたように、非常に粘りが強い木で割れ欠けしにくく、木くずを発生させにくいのが最大の特徴です。
例えば、風呂炊きや薪ストーブの薪を割るのに、「よき」や「斧」を使いますが、ムクは非常に割りづらいです。それほど粘りが強い木なのです。
石臼に対して朴(ホオ)や銀杏(イチョウ)のように柔らかい木を使用した場合、餅のない所をたたいた時にすぐに割れたり、欠けたりします。
その点、椋(ムク)は粘りが強く割れ欠けしにくいので木くずの発生を最小限に抑えることができ、石臼用には最適と考えています。ただ、比重が高く重いのが難点です。