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臼の豆知識

臼の豆知識

臼を選ぶポイント~良い臼とはどんなものでしょう~

臼をご購入の際には何を判断基準にされているでしょうか?
臼の大きさ(外径・内径・高さなど)、杢目、形状、価格など様々な項目がありますが、品質最優先で考慮した場合の最重要ポイントは、『乾燥期間の長さ』なのです。
伐採後、1年未満の乾燥期間の短いものですと、お客様の所へ行ってから必ずといっていいほど大きな割れが発生します。製造元にて、2年、3年・・・5年と乾燥期間が長いほど、お客様の所に行ってからの割れの発生は少なく抑えられます。
また、良い保管をしてやれば、「餅つき」に支障をきたすような大きく口を開く割れは発生しにくく、線が入る程度のヒビで収まるのです。
製造元にて乾燥材料を加工する際に割れた箇所があればそこに「埋め木」などの修正をして出荷します。「埋め木」の多い臼は、見た目は良くありませんが、お客様が臼を末永く使う分には良い臼なのです。
ですからお客様方には、臼をご購入の際には、乾燥期間のなるべく長いものを選ばれることを推奨しております。
当店では、3年以上の乾燥材の加工を基本としています。
臼のような芯付き丸太に割れが発生するのは木の構造上からなる「宿命」です。
我々、製造元は「なるべく割れにくい臼を作る」、お客様側は、「なるべく割れないように良い保管に努める」
という共同作業が重要だと考えております。

外観と乾燥期間(割れ)の関係

欅臼というものは欅の芯付き丸太を加工したもので、乾燥が進むにつれて必ずと言っていいほど割れが発生します。割れずして乾燥する場合もありますが、非常に低い確立です。

割れ発生のメカニズムを簡単にご説明させていただくと、
「乾燥が進むにしたがい木のあちらこちらで収縮が進み、
その引っ張り合う内部応力に耐え切れなくなった部分に割れが発生する」ということです。

木が割れるとその部分は内部応力がある程度抜けるため、その後割れにくくなります。
逆に怖いのは、まったく割れの無い臼です。

割れのない臼で考えられるのは、下記の何れかです。
(1)生木で作製。(2)たまたま割れずしてある程度乾燥した。

(1)の生木で作った臼というのは、お客様の所に行ってから必ずひどい割れ方をします。
(2)であれば割れにくい臼ができますので問題ありません。
(1)(2)のどちらの臼かは一般の方では見分けが付かないと思います。
銘木の専門家ならある程度は判断できます。
臼屋さんでの材料乾燥期間が長ければ長いほど、どこかに割れが発生するので製作時には割れ部分に埋め木をします。お客様が臼を選ぶ際、臼の外周や縁に埋め木があるものは嫌われる傾向がありますが、お客様の所に行って割れにくい臼というのは実は「埋め木の多い臼」なのです。(それだけ内部応力が抜けていると言う事です。)

「埋め木がある臼は外観は劣るがそれだけ乾燥期間を設けているので割れにくい」

当店では、外観よりも「割れにくい臼を作る」ということがポリシーでして、材料の乾燥には特に気を使っています。

臼材料の乾燥状態について

臼の大敵は、なんといっても『割れ』です。
『割れ』の程度によって『もちつき』に支障をきたす場合もございます。
その『割れ』は、材料の乾燥状態の悪いものほど大きく割れ、発生箇所も多くなってきます。
当店では、お客様により良いものをお届するため、材料の乾燥には十分な配慮をしております。

  1. ケヤキ、原木丸太にて約1年間の自然乾燥
  2. 木取り(長さ約60cmに切断)をして、さらに約1年間の自然乾燥
  3. 穴の荒堀りをして、さらに約1年間の自然乾燥

上記の様な工程をとっておりますので、最低でも約3年以上の自然乾燥させた材を加工しております。

ちなみに「木材水分計測器」(以下、「水分計」)は使用しておりません。当店の現時点での認識ですが、理由は以下です。

  1. ケヤキの場合の合否判定基準値が究明されておらず、各製造元で基準値設定をしている。 針葉樹の基準値をそのまま適用するケースが多いと思われるが、これはスギやヒノキの人工乾燥された柱など建材用のものであり、ケヤキなどの広葉樹のものではなく、あくまで「目安」にしかならない。
  2. 水分計は木材にあてる測定位置により数値のばらつきが大きい。 測定位置によって、基準値を超える位置もあれば基準値内に収まる位置も発生するケースが多く、製造元にて都合の良いデータ取捨ができることも可能でお客様に疑念を持たれるのを避けたい。
  3. 木材が割れるか否かについては、経年の自然乾燥による実績以上のデータは存在しない。 臼の完成品や荒堀材料が割れるか否かについては、完成品にしてからの1年目、材料を荒堀してからの1年目に割れるものは割れます。(木の生育場所などにより個体差があります) 例えば、完成品でも荒堀仕掛り材でもそうですが、1年目に割れなかった臼や材料が、保管場所や保管方法をまったく変えないにも関わらず2年目以降に割れるということは、ほとんどありません。 よって、工程ごとに段階を踏みながらの自然乾燥による実績に勝るものはないのです。

当店臼の特徴

1.臼が大きい

今や『お餅つき』は、餅を作るということだけでなくイベントなどで『見せる』や『文化の継承』といった意味合いもあるのではないでしょうか。
そうなると、なるべく『どっしりとした風格のある大きな臼』で餅つきをしたいものですね。

当店の臼は、『大きな丸太を削った「化粧臼仕上げ」で、それでいて臼が大きい』という非常に贅沢な材料使いをしております。
これには、見た目だけのことではなく以下のような理由があるのです。
同じ2升用臼にしても

  • 外径が小さな臼ですと、餅つきをしている際に臼の安定が良くないために動いてしまいやすいのです。
  • 内径が小さい臼(1尺程度)ですと「せいろ」から蒸した餅米をうつす際にうつしにくくこぼしてしまいやすいのです。
  • また、内径が小さいと臼のフチを杵でたたいてしまいやすいので、臼・杵ともに傷めてしまいやすいのです。
  • 小さな木で2升用を作るとなるとどうしても深く掘らなければなりませんが、そうすると杵を振り下ろした際の杵の柄と臼のふちの距離が近くなって『餅がつきにくい』、『杵の寿命が短くなる』などの支障がでてきます。

以上のようなことから、『小さな材料で2升用を作るより、ゆとりを持って大きな材料で2升用を作ったほうが良い』という考え方なのです。
特に内径を大きくとることにはこだわっております。

2.低価格

当店は広葉樹専門の材木屋です。
原木丸太仕入れから、臼完成までを一貫生産にて製造しておりますので、臼の大きさ(外径)で比較すると、どこよりも廉価にてお客様にご提供させていただけるのです。
例えば、外径尺7寸(51cm)の臼を例にとって見ても、どこよりもかなりお安くさせていただいております。

3.短納期

完成間近な仕掛かり状態での材料在庫を常に準備しておりますので、ご注文の連絡をいただいてから早ければ2日後、遅くとも5日後には発送できます。
ただし、当方の都合により対応できない場合もございますのでご注文の際によくご確認ください。また、11月後半から12月中にご注文いただいた際にも、もう少し時間がかかります。

4.臼お買い上げ時の特典

2台以上まとめてお買い上げの場合、臼の台数と同数の杵を無料サービス(杵は大、中、小いずれでも可)します。
臼2台の場合は杵2本サービス
臼3台の場合は杵3本サービス

5.早期ご予約注文時の特典

年末に臼がご入用のお客様で、8月末までに予約注文いただいたお客様に限り下記のいずれか1点の特典を申し受けます。ただし、10万円以上の臼に限ります。

  • 杵1本無料サービス(大・中・小いずれでも可)
    ただし、サービス分の送料はお客様負担になります。
  • 送料の無料サービス(当店が負担いたします)
    TEL・FAX・Eメールでのご予約注文時に、ご希望をお申し付けください。

けやき臼のできるまで

けやき原木丸太、仕入れ約1年間、自然乾燥させる
けやき原木丸太、仕入れ約1年間、自然乾燥させる

けやき原木丸太、仕入れ約1年間、自然乾燥させます。

屋外で1年間乾燥させた材を屋内にて2年目に入りました。(H20.3.5.撮影)
屋外で1年間乾燥させた材を屋内にて2年目に入りました。(H20.3.5.撮影)

屋外で1年間乾燥させた材を屋内にて乾燥させます。これで、2年目です。

約2尺(約60cm)に切って約1年間、自然乾燥させる
約2尺(約60cm)に切って約1年間、自然乾燥させる

約2尺(約60cm)に切って約1年間、自然乾燥させる

荒掘りして約1年間、自然乾燥させる
荒掘りして約1年間、自然乾燥させる

荒掘りして約1年間、自然乾燥させる

毎年1~2月で荒掘り、荒みがきをして、秋の加工にそなえます。春の割れはじめる直前に割れ防止剤を塗ります。(荒堀してすぐに塗るとカビが発生しやすいため)(H20.3.5.撮影)

毎年1~2月で荒掘り、荒みがきをして、秋の加工にそなえます。春の割れはじめる直前に割れ防止剤を塗ります。(荒堀してすぐに塗るとカビが発生しやすいためです。)

左は割れ防止剤を塗っていませんが右は塗っています。個々の材料の様子を見計らって塗っていきます。(H20.3.5.撮影)
左は割れ防止剤を塗っていませんが右は塗っています。個々の材料の様子を見計らって塗っていきます。(H20.3.5.撮影)

左は割れ防止剤を塗っていませんが右は塗っています。個々の材料の様子を見計らって塗っていきます。

完成

完成